「秋なすは嫁に食わすな」おいしいなすを嫁に食わすのはもったいないという嫁と姑の間柄を表す故事です。古来から、おいしい野菜の代表として知られているなす。そんななすを使ったレシピとして多くの人が思い浮かべる料理はやはり、煮浸しではないでしょうか。多めの油でをひいたフライパンで焼いてうっすらと焦げ目をつけたなすを、しょう油やみりんで味を整えただし汁に入れて火を通し、最後に冷まして味を入れるというシンプルで簡単な料理です。スポンジのようにうまみを吸い込むなすと、ほかの食材と合わせることで味がぐっと深まるだしの相性は抜群。煮浸しを作るときに特にこだわりたいのは、だしの取り方。コンブとカツオ節でバランスの良いだしをとることができれば、もうほとんど美味しい煮浸しができたも同然です。コンブに含まれるグルタミン酸とカツオ節に含まれるイノシン酸はともに三大うまみ成分を構成する2つで、料理の味に複雑な味をプラスします。